SKY GALLERY EXHIBITION SERIES vol.7 中﨑透
Ding-dong, ding-dong
〜Bells ringing at the bottom of the valley〜
2024.01.23(Tue.)-3.31(Sun.)

美術家・中﨑透が渋谷上空から紡ぐ、地上の物語

Ding-dong, ding-dong
-Bells ringing at the bottom of the valley-


ベルボトムと呼ばれるズボンの型をご存知だろうか?
妙な縁から、渋谷で90年代からベルボトムの専門店をやっている店主と出会った。
かつてのベトナム戦争の時代に、兵士が戦争への抵抗として、ブーツからズボンの裾を出したスタイルが、「鐘/ベル」の形をしていたことが発祥だという説があるらしい。それはアメリカにおいて「自由の鐘/Liberty bell」を連想させ、自由や平和、愛の象徴としてのファッションとして広まったと言われている。

ベルボトム専門店の店主、
渋谷の都市開発に従事した男性、
現在、渋谷の街を闊歩しつつテクノ音楽をこよなく愛する女性、

といった三人の言葉をモチーフに一つの物語を紡いだ。

東京を、渋谷を一望するようなこの場所から、足元から力強く鳴り続ける「谷底の鐘の音」に耳を澄ましてみる。

茨城県水戸市を拠点とする美術家の中﨑透は、“言葉”と“イメージ”の「ズレ」をテーマにしたユニークな看板作品をはじめ、多くの人を巻き込みながらプロセス自体を作品化したプロジェクト型の作品など、活動が多岐にわたることで知られています。中﨑はここ数年ほど、その土地/地域や建物に所縁ある人々を取材したインタビューを基点にし、紡いだ言葉とともに空間を構成したツアー型のインスタレーション作品のシリーズを全国各地で展開しています。

今回の展示において中﨑は、渋谷という街に深く関わりながら独自の人生を歩む、年齢や性別、職業の全く異なる三人のインタビューを実施。決して交わり合う事の無かった三つの人生が、中﨑の新作を中心とした作品群と共に紡がれていきます。鑑賞者はこの舞台に散りばめられた断片を通して、ここSHIBUYA SKYの上空から見下ろす街のイメージとのズレ、自らの今や人生との差異に触れながら、社会といち個人の間にある影響の密接さを感じることでしょう。再開発が続くこの街の輪郭は常に変化していきますが、その輪郭もまた揺さぶられる体験になるかもしれません。

Profile

中﨑透/NAKAZAKI Tohru
1976年茨城生まれ。美術家。武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。現在、茨城県水戸市を拠点に活動。言葉やイメージといった共通認識の中に生じるズレをテーマに自然体でゆるやかな手法を使って、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、形式を特定せず制作を展開している。展覧会多数。2006年末より「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2007年末より「遊戯室(中﨑透+遠藤水城)」を設立し、運営に携わる(-2021)。2011年よりプロジェクトFUKUSHIMA!に参加、主に美術部門のディレクションを担当。2022年、越後妻有大地の芸術祭参加、水戸芸術館にて個展「中﨑透 フィクション・トラベラー」開催。2023年、芸術選奨新人賞受賞。
>>中﨑透公式サイト

Information

本展示は SHIBUYA SKY 46F 屋内展望回廊「SKY GALLERY」が会場となります。

イベント当日のSHIBUYA SKY 入場チケット、もしくは年間パスポートをお持ちの方はどなたでもご覧いただけます。チケット購入について、詳しくはページ上部の「Tickets」ボタンよりご確認ください。

SHIBUYA SKYの入場チケットは「日時指定券」です。入場日と入場時間をお決めのうえ、ご購入ください。事前に入場日と入場時間を WEBで指定して購入する「WEB チケット」と、窓口で指定して購入する「窓口チケット」があり、4週間先の日付までの入場チケットをご購入いただけます。本展示につきましては、12月26日(火)より順次販売開始いたします。

SHIBUYA SKY入場チケットは数に限りがございます。ご希望のチケットが完売の場合は購入いただけません。

入場後の滞在時間に制限を設けていませんが、退場後の再入場はできません。